3ヶ月単位のスーパーフレックスタイム制が導入された件③
会社側のメリット
・優秀な人材が集まるし、辞めない
採用してもすぐに辞めちゃうからいつも人手不足で、優秀な人材がなかなか集まらない、という会社こそフレックスを導入した方がいいと思います。
今の若くて優秀な人は、会社にガチガチに縛られるよりも自由な働き方を選ぶ傾向にありますし、「人生で一番大事なものが仕事」と答える会社員の割合はどんどん減少していて、「仕事はほどほどで自分の生活も充実させたい」という人の方が増えてきています。
“3ヶ月のスーパーフレックスタイム制”を導入している会社であれば、従業員は自由と安定の両方を手に入れることができるので、少しくらい不満があっても簡単には仕事を辞めなくなります。
福利厚生を充実させるよりもまずフレックスを導入した方がずっと効率的です。
・残業代の削減
フレックスシリーズ①でも触れましたが、フレックス制は残業代の計算方法が通常とは違います。
たとえば、サービス業の場合、土日は忙しいのでたくさん働いてほしいけど、平日はお客さんが少なくて、早めにお店を閉めちゃいたい時もあるかと思います。
以下、通常の正社員とフレックス正社員の残業代の比較になります。
<1日8時間の正社員の場合>
土曜10時間労働
日曜10時間労働
月曜8時間労働
★合計4時間の残業代がかかる!
<フレックスの場合>
土曜10時間労働
日曜10時間労働
月曜4時間労働
★土日多く働いた分月曜に早上がりしたので、残業代なし!
細かいルールはあるのですが、ざっくりですとこんな感じです。
会社の繁忙期にあわせて柔軟に従業員の労働時間を配分することができるので、
無駄な残業代を支払う必要がなくなります。
これは会社にとって非常に大きなメリットだと思います。
ただ、従業員目線でみるとデメリットともいえますので、次のデメリットのところでその点についても触れたいと思います。
デメリット
・全員そろわない
コアタイムがある場合は、全員が必ずそろう時間帯というのがありますが、コアタイムのないスーパーフレックスの場合は、みんなの出勤がバラバラのためお互いに顔を合わせないまま一日が終わることもあります。
しかし、ミーティングをしたいときや、お客さんからの問い合わせに対して担当者が何時ごろに出社予定なのかを答えるときなど、一体いつ出勤していつ退勤するのかがわからないとなると困りますし問題ですよね。
そこで、Googleカレンダーなどの共有スケジュールを使ってフレックス対象者の出勤と退勤の予定時刻が常時わかるようにすることで、現在は対応しています。
ただ、突発的に打ち合わせをしたい場合などは、その時にその人がいなければどうにもならないので、この点は結構ネックかもしれません。
ですので、そういう突発的な打ち合わせが多い会社の場合は、コアタイムを入れることになるのかなと思います。
・有給が減らない
フレックス制になってから、有給を使う必要がなくなりました。
役所や病院に行きたい場合などは、働く時間を調節すればすぐに行けるため、
わざわざ有給をとるほどでもなくて。
ただ、最近の働き方改革で1年間に5日以上有給を取ることが義務となりましたし、
有給は2年で時効となってしまうので、有給を取らなきゃな、とは思うのですが。。
そこで、うちの会社では、毎月の働かないといけないノルマの時間に足りていない場合は、後から集計の時に有給をあてるというやり方で、有給を消化できるようになっています。
・残業代が減る(従業員目線)
通常の勤務の場合は8時間を超えた分が残業となるため、残業代が1日単位でも発生しますが、フレックスは1か月単位や3ヶ月単位で残業代を計算するので、従来の勤務形態と比べてフレックスの方が残業代がつかなくなった!ということは実際あります。
ですので、残業代でたくさん稼いでいる人にとっては、フレックスの導入はデメリットがあるといえます。
ただ、働き方改革により、不要な残業を減らして生産性を上げるよう国全体で動いているので、残業代でたくさん稼ぐという働き方は今後どんどん減っていきます。
それに、裁判で残業代を請求するような元従業員も増えているので、会社は残業代の対策を進めていくでしょう。
ですので、残業代をあてにして働くより、自分の1時間あたりの生産性をあげて、自分の価値を高めていった方が結果的に良いのではないでしょうか。
・労働時間の計算が複雑になる
フレックスは通常とは異なるルールで残業時間などを計算することになるので、労務管理や給与計算の担当者に知識が必要となります。
そんなに難しいことはないですし、一度覚えてしまえば問題ないのですが、新しいことをなるべく覚えたくない人にとっては、わざわざフレックスを入れるのは面倒だからこのままでいいや、となるかもしれません。
・管理能力が必要
フレックスは、自由に出退勤時間を決められる反面、当然ですが業務もこなしていかなければいけないので、自分で予定を組んだり労働時間をしっかりと管理していく必要があります。
今自分がどのくらい働いていて、あとどのくらい不足しているかどうかを、誰かが教えてくれる訳ではありません。
どのくらい働けば期限までに業務を終えることができるかをきちんと計算しながらフレックスをやらないと、大変なことになってしまいます。
ですので、誰かに管理してもらいたい人や、自分で予定を立てて実行するのが苦手な人や、オンとオフのメリハリがなくズルズル休んでしまうような人には、フレックスは厳しいかもしれません。
フレックスは対象者を限定することもできるので、ルーズな人や度重なる注意にも関わらず勤務態度が改善しないような人をフレックス勤務の対象外にすることもできるようです。
以上、会社側のメリットと全体的なデメリットについてでした。
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